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コムスとは?どんな乗り物?ユーザーが本気レビューします

現在所有しているミニカー(超小型モビリティ)である「コムス」について紹介したいと思います。

コムスの紹介記事は絶対的なユーザーが少なく、試乗もせずに見たままとスペックから推測される記事が多く誤解が多いので、コムスユーザーから見た本当の事実を書いてみたいと思います。コムスに関しては一番正確かつ詳しく紹介していると自負しています。是非最後まで読んでください。

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トヨタが製造しているミニカー(超小型モビリティ)

超小型モビリティであるコムスですが、トヨタ自動車グループのトヨタ車体が作っています。トヨタ車体といえば、「ハイエース」「ランドクルーザー」「アルファード・ヴェルファイア」を製造してる会社です。あんな大きな車ばかり作っているメーカーがこんな小さな車を作っているなんて驚きですね。

車は小さいですが、さすがトヨタが作っているだけあってとても真面目にできています。トヨタの基準に合わせた安全性能検査を行っていて30km/hですが、衝突実験や、浸水走行試験なんてものも行っています。現行販売されているコムスは実は2代目なんです。

初代は現行型が発売されてからすでに販売終了しています。初代は2000年から製造しているので長い間製造しているノウハウがあるのでしょうね。

2018年現在、日本国内で製造していて一般の方が購入できる数少ない超小型モビリティのひとつです。

軽自動車よりも小さな車体

コムスの大きさは全長240cm、全幅110cm、全高150cm

車体が小さいということはとても小回りが利くということです。

回転半径はなんと3.2m、2車線道路であればUターンできます。

定員は1名の車両法上は「ミニカー」、ミニカーとは簡単に言えば原付バイクと自動車の中間の存在です。

動力性能は?

動力はガソリンを必要とするエンジンではなく、定格0.59kwのモーターで最高出力は5kwトルクは40N・mを発生します。馬力換算では6.8馬力なので昔のやんちゃな原付ぐらいです。

それでも車体からしたら馬力はソコソコ、しかし、トルクは400ccのスクーターぐらいあるので、特に不便は感じません。モーターの特性上0回転から最大トルクを発生するため一般道でも置ていかれることもないですし、最大速度も平地では60km/h+αは出るので交通の邪魔になる事はありません。

もっともパワーが有り余っている状態ではないので、当然坂道や、陸橋などでは50km/hぐらいまでしか出なかったりする事もありますが、よっぽどの山道ではない限り40km/h下回ることはありません。

加速の大体の目安ですが、0-30km/h加速は5.2秒、0-60km/h加速は21.27秒です。体感上は30km/hまでは4ストの原付ぐらいで、45km/hぐらいまで加速感は続きます。

一般道での平均的な流れの50km/hまでの走行に関してはかなりこだわったみたいで、一般道では困ることはありません。

コムス加速

山道を走ってみました。コムスの特徴であるモーターの力強さがわかって頂けると思います。

ちゃんと止まれるの?

ブレーキはよく効きます。多分想像以上に効きます。モーターの回生ブレーキ機能を使うのですが、ちょっと踏むだけで強めに回生ブレーキがかかる仕組みになっています。
ただ、リーフのように油圧ブレーキとの細やかな協調制御は無いので、回生ブレーキが効いている間はOn/Off的なタッチになります。

加速状態からアクセルを緩めればそれだけで軽く回生ブレーキがかかりますので、エンジンブレーキのように速度は落ちていきます。感覚的にはオートマの2速ぐらいの感覚なので、それほど空送感はありません。

又2015年のマイナーチェンジからフロントブレーキがディスクタイプになったためブレーキタッチのダイレクト感が良くなっています。ドラムブレーキの初期型も乗ったことがあるのですが、ブレーキタッチと初期型は回生ブレーキが20km/hぐらいを境に効かなくなるので、ブレーキタッチと相まって若干効きが悪い印象があります。

コムスブレーキ

ただ、止まらないというわけではないので、癖の範疇であるかもしれません。油圧ブレーキではあるのですが、ブースター機能はついていないので、踏んだ分だけ効くという感じでものすごくダイレクト感があります。

高齢の母親からもブレーキはよく効くと言うコメントがあるので、ブレーキに関しては全く問題ありません。昔の軽自動車の方がよっぽど止まれません。

ひっくり返らないの?走っているときフラフラしないの?

見た目幅が狭いし、幅の割には背が高いし、急ハンドルを切ればひっくり返るんじゃないの?と思われる方が多いかと思いますが、重量物であるバッテリー、モーター、ギアボックスがシートより低い位置に設置されているため、ものすごく重心が低いです。

ハンドルは油圧もモータによる補助もないのですが、前輪軸上に重量物がないのでそれほど重くありませんし、調整機能も付いて無いため物凄く剛性感があるのでとてもダイレクト感があります。

ボディに関してもプラスチックなのでとても軽量に出来ています。

普通に走行している時はカーブでもひっくり返る感じは全くしません。横風を受けてもひっくり返る感じはしません。

ただし、かなり急なカーブを45km/h以上でコーナリングすると内側の後輪が浮き上がる感覚がありますが、ココで言う「かなり急なカーブ」というのは普段の交差点ではありえない角度と思ってもらって結構で、普通車でもコムスでもこのような走行をすることはかなり気合が必要なので、普段は気にするような事はありません。。

ちなみにメーカーのトヨタ車体においてもこの辺りの限界走行のテストは十分行っており、安全性に関して十分配慮している事は電話で直接お話を伺っています。

静止状態では当たり前ですが四輪ですので原付に比べ安定性は抜群です。乗り降りや、荷物の搭載時についても全く問題はありません。

走行時の安定性ですが、低速時の小回りから考えられないくらい公式に書かれている最高時速60km/hでも意外なほど安定性があります。

走行している途中で急なハンドル操作を行ってもすぐ直進性を取り戻します。道路のギャップはすごく拾いますが、ハンドルを握っている限り、どこかに飛んでいく感じはしません。原付バイクとは雲泥の差です。

上は大阪万博の周回道路を運転している動画ですが、制限速度60km/hの道路を50km/h~60km/h+αで走らしています。

開通後50年を経っているので、あちこち補修が行われて所々ガタガタになっていますが、ハンドルに手を添えるだけで、矢のように直進していきます。

フラフラしてるとか、怖さはありません。動画の最後で側道から無理やり侵入してくる車を60km/h+αで避けていますが、全く安定していることを確認できるかと思います。

もう一つ回頭性を表す値としてホイールベースとトレッドの比ですが小さいほど回頭性が高くなると言われています。現行のトヨタ車で言うと【86】が1.67に対し【コムス】は1.65です。【フェアレディZ】が1.63という事を考えるとほとんどスポーツカーと同じです。

ちなみに軽自動車2シーターの【S660】でも1.76なので小型車でも圧倒的に回頭性が高いかわかります。それでも前述のように重量物がすべて低い位置にあり、上物はプラスチックボディと人間だけですのでカーブ中の安定感も良好です。

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乗り心地は?運転席は狭くないの?

乗り心地ははっきりってよくありません、ラダーフレームにパイプフレーム、ボディはがちがちです。あまりロールをしないような設計になっています。

そのためサスペンションも固めでなので、ギャップはよく拾います。速度が高いとマンホールのギャップなんかはよく拾うので体が揺さぶられる感じです。

ですので、正直乗り心地うんうん言う乗り物ではありません。椅子はビニール製の商用車使用なのですが、スポンジ等入っていますので、多少の長距離でも問題ありません。

ドライビングポジションは「ヴィッツ」を参考に設計したとの事ですので、無理が無く、この車で考えられる航続距離のドライブでは疲れません。車内の幅は1m近くあるので全く狭くありませんし、多少大きな鞄でも運転席の後ろに入れれますので、普通の車より広いぐらいです。

暑い、寒いは?

エアコンなる物は装着されていないので夏は暑いし、冬は寒いです。ただ、夏は熱源となるエンジンが無いのと幌を開けて走るので、走っている間はそれほど熱くありません。

止まっている時は小型扇風機で風を送っています。冬は幌を閉めていれば基本風は入ってこないのでバイクに比べれば全然ましです。

ただし、足元からの隙間風が多いので、冬場には足元にブランケットを巻いて走ることがあります。春と秋の間は幌をフルオープンにして走るのですが、ヘルメットがいらないという事と、EVなのでそれほどうるさくないので開放感というかその時の感覚は何物にも代えがたい物があります。

エアコンが無いという事で一番困るのがフロントガラスの曇りが挙げられます。申し訳程度に外気を導入する吹き出し口があるのですが、ほとんど効いていません。特に冬場・夏場の雨時は結構曇るので結構大変です。

これはクリンビューを使ってマメにフロントガラスを拭けばかなりマシになります。クリンビューは昔エアコンが標準装備でない時代に雨天時のフロントガラスの曇り除けとしてCMを行うぐらいよく売れていたのですが、最近ではエアコンは標準装備になりめっきり見なくなりましたが、現在でもカー用品で販売されています。

幌のドアだけど中は濡れないの?

コムスのドアはオプションですが幌のドアがあります。

コムスを購入するうえで必須のアイテムですが、実際これを見た方のほとんどが思う事「雨が降ってきたら中は濡れないのか」を検証した動画を作ってみました。この時は低気圧の通過できつめの雨だったり、晴だったり不安定な天気でしたが、最高時速でオーバルコースを走りましたが、中は全く濡れませんでした。最後のオマケ動画でジェッターでコムスを洗う動画もあるので興味のある方は最後までどうぞ。

荷物はどれだけ積めるの?

カタログ値では積載量30kgとありますが、これは原付バイク扱いのため規格ありきの重量です。実際には日本郵政仕様のコムスだと60kgなのでこれぐらいは積めると思います。

コムストランク

10kgの米を積んでもこれだけ余裕があります。コストコでは1Lの水を21本積んで、さらに1週間分の食材を積んでもまだ余裕があるぐらいなので、トランクに入りきらない長尺物以外は普段の使い方だと問題ありません。

安全性について

この辺りは意見が分かれる所ではないでしょうか?多分ネガティブな考え方の方はここから入ってくると思います。

ただ、良く調べてみると、ミニカーという規格はとても安全な規格という事がわかってきました。

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事故率は軽自動車、普通自動車に比べたら一桁少ないです。

安全性を調べた記事です是非!

以前超小型車に関する安全性について現在存在するミニカー登録のデータを用いて解説をしましたが、2012年(平成24年度)のデータでしたので、最新版の2017年(平成29年度)を使って分析を行ってみました。 前回の解説を裏付けるデータと、[…]

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コムス(ミニカー)を知らない人が思う安全性に関する疑問TOP2についてデータをもとに考えてみました。

Q:大型車との事故が心配

A:そもそも大型車との事故がほとんどありません、ほぼ0に等しいです。
多分ですが、そもそも自動車専用道路は走行できないのと、ミニカーという車の小ささからドライバーの判断での幹線道路自体の走行が少ないからだと思います。
逆に走行する道路に規制の無い軽自動車の方がはるかに大型車との事故率(特に重傷死亡者数)は高いです。

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”超小型モビリティの安全基準検討に資する事故分析”より引用

Q:人や自転車に対する加害性は?

A:それなりにありますが、走行速度が低い為、重死亡者の割合はそれほど高くありません。
それなりに重量がありますので0ではありませんが、自転車で10%以下、歩行者で20%ほどになります。
死亡者に至ってはほとんどありません。
原付に比べてバイクの重傷死亡者が高いのは相手の速度が高いからかもしれません。
歩行者とバイクは70%以上軽傷です。それ以外はたとえ自転車・原付であっても80%以上軽傷です。

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”超小型モビリティ・ミニカーの交通事故に関する研究”より引用

事故が起きた時の速度を見てみましょう。

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”超小型モビリティ・ミニカーの交通事故に関する研究”より引用

事故が起きた時の速度は30km/hまでの速度がほとんどです。

デメリットである自動車専用道路が走れない、最高時速は60km/hに制限されているという事が逆に安全性を高めることになっています。

とても重たいバッテリーを支えるための強固なラダーフレームとパイプフレームで周りを囲まれているので、とても頑丈にできています。同じような規格の原付バイクとは比べるべくもありません。

以下のリンクに超小型車(超小型モビリティ)の事故と安全性についてまとめています。ぜひご覧ください。

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充電方法は?普段使うのにどれだけお金がかかるの?

まずは電気代について

充電は一般家庭にある100V電源を使います。パソコンやコピー機についてるアース付きの3Pタイプのコンセントですが、変換プラグがあるので普通の2Pコンセントでも使えます。

一戸建てなら大体付いている室外の100Vコンセントで充電できます。注意点としては充電時に最大950w近い電力が発生するので10A以上電流が流れても大丈夫な配線が必要になります。

普段使うのには電気代しかかかりません。実際の金額について我が家の簡易電力計で計算してみました。

電費その1

一例ですが40.8kmで4.01kwh、1kwh当たり我が家の電気代は22円なので、88円です。

計算すると1km当たり2.2円になります。

これは片道2~3車線の幹線道路をかなり元気よく走ったパターンです。

電費2

もう一例ですが18.5kmで1.76kwh、1kwhあたり我が家の電気代は22円なので、38円です。

計算すると1km当たり2.1円になります。これは普通に流れに乗って平均40km/hぐらいの一般道路を走ったパターンです。

この通り、普段使っていてもあまり誤差は無いです。普通のガソリン車の燃費に換算すれば約67km/Lになります。

このあたりの経済性は電気自動車ならではですね。冬は大体これの1~2割減ぐらいかと思います。

2019/06/17(NEW)

暖かくなってきたので電池の活性が上がってきました。

電費

37.1km走って3.26kwhで71円なので1km辺り1.91円になります。これは一般道を流れに乗って走った時の物で、普通の使い方想定です。この日はミニ台風並みの低気圧がやってきて雨と風の強い時だったのでワイパーも利用しています。ガソリン1Lを140円と計算して73.3km/L、もう普通の原付バイクでもかないませんし、スーパーカブでも難しい燃費じゃないでしょうか?

昨今ガソリン価格が150円を超えることが珍しくありません。ガソリン価格が高くなればなるほど電気自動車であるコムスのメリットが際立ってきます。

自宅保管場所について

自宅で保管する場合は原付扱いですので車庫証明は必要ありません。軒先でもコムスが置けるスペースがあれば駐車場は必要ありません。

税金について

市町村によって差はありますが、概ね年間4000円です。重量税は必要ありません。

保険について

自賠責保険に必ず入る必要があります。年間7,500円程度で複数年だと割引が効くのは普通自動車と同じです。任意保険は他に自家用車を所有しているのであれば、ファミリーバイク特約で格安で保険をかける事が出来ます。

車検について

原付扱いであるコムスには車検制度はありません。

その他コストに関しては下のリンクで詳しく説明しています。

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駐車場のコムス

コムスが補助金の対象になりました

2023/4/9:NEW

コムスが補助金が増量されました。

すべてのグレードにおいて20万円の補助金が交付されます。

一般社団法人次世代自動車振興センター CEV補助金のご案内

一番安価なB・COMで799,700が599,700と60万円を切ってきました。一般向きのP・COMでも960,300が約76万円で購入できます。

トヨタ車体HP  コムスがCEV補助金対象に!!

補助金の条件は新車で購入し、その後3年間は所有しないといけません。途中で売却した場合は補助金の返納の義務が生じます。

予算には上限があるため、予算の上限に達した時点で補助金は交付されません。気を付けないといけないのは納車されないと申請できない点と、納車まで普通の自動車より時間がかかり気味な所です。

2023/3/28:NEW

東京都民の方はさらに18万円の補助金が出ます!

すべてのグレードにおいて18万円の補助金が交付されます。

クールネット東京 電動バイクの普及促進事業

東京都に住民票がある方限定で、新車で購入しないとダメですが、それでも18万円の補助金が交付されます。現在事業の詳細を策定中だそうですが、令和5年度でも例年通りの補助金が予定されているようです。

結局のところどうなの?

結局の所コムスは超楽しい車”

ドライビングポジションはセンターなので、カートやレーシングカーのようです。小さな乗り物ですが、軽自動車より40cm幅が狭いだけの一人乗りですので、運転席回りは余裕があるので狭い感じは全くありません。

普通の車から乗り換えても全く違和感なく乗れるので、バッテリーの航続距離までは苦も無く乗れると思います。乗り心地も、操作もすべてダイレクトですので、車を意のままに操れる楽しさがあります。しかも絶対的な速度が低いので安全に楽しめるところもオススメポイントです。

納車の時に家まで乗ってきた営業の人が「初めて乗りましたがこれ有りですね、メチャクチャ楽しいです。」って言ってたのが印象的でした。おまけに雨風しのげて一般道60km/hで走れて、2段階右折にも縛られない、おまけに荷物もたくさん積めてガソリン1L当たり73.3km/L走ります。これは素晴らしくないでしょうか?

東京のメガウェブや全国のトヨタディーラーでも数は少ないですが用意してあるのでぜひ試乗してみてください。

私はコムスに乗るまで超小型モビリティの世界観がわかりませんでした。でも今は一度乗ってもらえれば超小型モビリティの世界観のすばらしさがわかって頂けると確信しています。

きっと気に入ると思いますよ。

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