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超小型モビリティ(超小型車)って何で検討してるの?議論のポイントと販売はいつから?

超小型車について紹介しているこのサイトですが、そもそも何で超小型車って議論されているのでしょう。

国土交通省ではどんな議論がされてきたのかまとめてみました。ここで利用するのは国土交通省から出てる資料「超小型モビリティの成果と今後」と言われる資料。

私は実際にこのスライドを発表された場所にはいませんでしたが、もし私がプレゼンするとしたらこんな風に説明する気持ちでなんちゃってプレゼンを行い議論のポイントと今後の展開について考えてみました。

7000文字を超える長いエントリーですが、興味のある方は是非一読して下さい。

1.国土交通省によるこれまでの導入・普及に向けた取組

(1)超小型モビリティ導入・普及が求められる背景

超小型モビリティ導入・普及が求められる背景としてまずひとつ目のCO2の排出量についてお話したいと思います。

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2015年12月に行われたCOP21において2020年以降の温室効果ガス排出削減のための新たな国際枠組み(俗にいう「パリ協定」)を採択し、日本においても2030年度削減目標の達成に向けて着実な取り組みを行う事となりました。温室効果ガスの排出量については2013年度比でマイナス26%を目指します。

運輸部門における二酸化炭素の排出量に占める自家用車の割合は86%を占め、自家用車の排気ガスを低減することによって大きい効果を期待しています。

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大量の排気ガスを排出している自家用車の排気ガスを減らすために「ゼロエミッション自動車」と言われる電気自動車や水素自動車の開発と普及を目指さなければなりません。

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又別の資料ですが、自動車の1日の利用の統計を取ってみると1日で自動車による移動距離は10km以内が約7割、しかも乗車人数は2名以下が大半です。

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しかも24時間のうちに高速道路を利用する割合は全体の2割以下、高速利用状況においても5割以上のドライバーは殆ど高速道路を利用しないため、一般的には自動車は2名迄の乗員で、1日で走行する距離が短く、かつ一般道路を主に利用する用途の自動車があれば概ね行動範囲をカバーでき、潜在的な需要が存在すると言う事が言えます。

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上で書いた条件「一般的には自動車は2名迄の乗員で、1日で走行する距離が短く、かつ一般道路を主に利用する用途の自動車でカバーできる」移動手段として注目されるモビリティとして「超小型モビリティ(超小型車)」があげられます。小型であることのメリットである「エネルギー消費効率」はガソリン車の1/6程度、さらに通常の電気自動車よりも2/3低減されるとします。

家庭で使われる一般的なインフラとして電気を利用できる事で、昨今の低燃費車が増えて来たことによるガソリン消費の減少による廃業により、過疎地でのガソリンスタンドの不足問題も解消出来ます。

(2)超小型モビリティとは?

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超小型モビリティ(超小型車)としてはテストでも複数のモデルが開発されて、世に出ています。ただ、この中で一般に販売されている物は「コムス」しかありません。

(3)超小型モビリティ導入•普及に向けたこれまでの取組

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平成22年よりすでに日本では超小型モビリティ(超小型車)について実証実験等を行って様々なデータを蓄積してきました。毎年ガイドラインを作ったり、認定制度を作ったり、補助金を使った導入促進事業を後押ししてきました。みんなが知らないうちにどんどん取り組みが進んでいます。これを見てもチョット思いついただけの簡単な取り組みでない事がわかります。

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今までの超小型モビリティ(超小型車)の取組の説明です、平成22年度から全国13地域にて実証実験を実施して超小型モビリティ導入に向けたガイドラインとして取りまとめられています。

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今までの実証実験を元に既にある「ミニカー規格」とは別に軽自動車の新しい規格として軽自動車よりさらに小型の「超小型モビリティ」規格を見据えた認定制度を創設されました。

これは「ミニカー規格」をベースにの車体サイズを元に二人乗りを基本として、二人乗りになる事でパワー不足を補うために定格出力を排気量125cc、8kWまで拡大した(ミニカー規格は50cc、0.6kw)物です。

2.超小型モビリティ導入・普及に向けたこれまでの取組

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今までに新たに認定制度として整備された「超小型モビリティ」を利用して平成25年度から全国で42事例創出されてきました。

補助金として945台導入されてきましたが、そのうち708台もの車両が「コムス」を使われています。

(1)超小型モビリティ導入の類型

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認定制度として導入された事例では「業務・公務」として宅配事業や訪問業務での活用、「観光利用」として排ガスが出ず小回りが利く特徴を生かして、自然観光地の周遊コースでの利用やリゾート地での回遊性向上、「日常利用」としてカーシャアリング事業や個人にレンタルで貸し出したうえでの日常利用など全国で約6,000台が実際に活用され、引き続き運用データとして蓄積を行ってきました。

(2)超小型モビリティの有用性及び課題

ここでは実際に認定制度として活用されてきた超小型モビリティ(超小型車)の公務業務利用での活用法について見てみましょう

公務・業務利用

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業務利用として行われている一番有名な物は「セブンイレブンジャパン」で導入されている宅配業務です。特に大都市でセブンミールなど宅配事業を行うために多数の「コムス」が導入されています。又郵送事業として名古屋市では郵便局でも使われ始まりました。

ただ、郵政事業で利用されるコムスは原付規格の最大積載30kgでは足りないため軽自動車のナンバーを付け60kgまで積載できる「軽自動車コムス」が採用されています。

何れも小型の車体を利用し、店舗前に駐車したり、狭い道路にも対応された点や経費が1/3〜1/4まで削減出来た点が評価されています。

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介護福祉の分野においても小さな車体を活かして訪問業務に利用されています。よく課題とされる航続距離に関しては訪問業務における巡回エリアと十分マッチしており、メリットとして燃料費の削減が確認されています。

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公務・業務利用で分かった有効性は小型の車体を活かした駐車スペースや狭い路地への対応、2名程度の利用で省エネルギー、燃料費の削減といった効果があります。

課題としては現行車両(コムスが多く)車両性能からくる限界(積載量・急斜面での登坂性)、快適性において課題が生じています。

観光利用

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観光利用としては電気自動車であるメリットを生かした自然とのマッチングを活かして超小型モビリティ自体が新たな乗り物を体験してもらうというある意味観光資源として活用が出来ている点に着目したいところです。

利用者の動機の1/3は「車両自体への興味」となっている点でも明らかです。又観光地を回るだけなので走行距離が50kmまでの利用がほとんどなので航続距離が短いデメリットも感じにくくなっています。

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観光客が利用するための移動手段が無い(バス・タクシーが無い)エリアにおいてもレンタカー事業としても新たな需要が考えられます。又「車両自体の興味」から超小型モビリティ自体が観光資源になるケースも見受けられます。

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観光利用で分かった有用性は観光地での移動手段としての利用で超小型モビリティ(超小型車)自体が観光資源として利用できる点が挙げられます。航続距離の問題も観光エリアが限定的な地域内での周遊で50km未満での利用であればメリットも十分あると思われます。

課題としては車両に関する課題(雨天時の利用や夏・冬の快適性)とともに認定制であるため認定されたエリアしか走行できないためもう一歩エリア外の場所に移動したいときに移動できないため、プラスワン(+1)の観光施策が出しにくい所です。

日常利用

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こちらでは日常利用として超小型モビリティ(超小型車)を利用した事例を紹介しています。カーシェアリングでの有効性においてはステーションと呼ばれる返却場所を複数用意することにより俗に言う”チョイノリ”と言われる時間にとらわれない日常の移動手段として検証してきました。

車両サイズを活かした通勤での利用やちょっとした買い物や移動など短時間で低価格で利用する事ができます。

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離島や農村など交通過疎地での高齢者の手軽な移動手段として活用され移動の活性化も見られます。

また、車両に搭載している充電池を利用することにより、災害時での非常用電源としての活用事例も紹介されています。

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日常利用用途によりわかったことは、通勤、買物等の日常生活でのカーシェアリング利用において有効性が確認され、事業化する可能性がある事や高齢者の移動手段やガソリンスタンドが無くなりつつある過疎地での交通インフラとして期待される点です。

観光地域や地域巡回の移動手段としても超小型モビリティ自体が観光資源として成立する可能性があるという所も注目されます。

課題としては車両自体の装備や性能により1台目としての個人所有には課題があり、2台目の用途として複数台車両を保持できる環境が必要である事とカーシャアリング事業においては収益性を確保するための利用率の向上が必要になって来る点です。

(3)超小型モビリティの普及促進に向けた課題

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超小型モビリティ(超小型車)の普及に向けた課題の1つ目として認知度があります。地域によってはカーシェアリングなど事業化している所や、公共事業として導入されている以外は一般の方に認知度があるとは言えません。

法人で全国展開している物としてはセブンイレブンジャパンの宅配用として整備されていますが、すべてのセブンイレブンにあるわけでは無く、私もコムスを乗っていると「どこの車ですか?」と声をかけられることが多々あります。

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認知度が高い人は「一度は乗ってみたい」と思っている方も多く、又一度乗ると良いイメージを持つ人の割合が増す傾向にあります。ココは私も激しく同意する点で、一度なるとみんな良いイメージを持って頂けます。その辺りは十分意識されており、今後必要な取り組みとして”超小型モビリティの印象を良くし、利用需要を喚起するには、認知度を向上させていくことが重要”とされています。

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認知度においては、超小型モビリティ(超小型車)の導入事例がある地域の認知度は、非導入地域より高い傾向があり、今後も引き続き超小型モビリティの導入に関する支援を実施し、認知度を向上させていくことが重要とされます。

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普及の課題の2点目として車両価格があります。車両側の性能や装備の問題もあり、1台目としての所有が難しい点があげられ、買い増しによるセカンドカーとしての購入が想定されています。車両が小型で軽自動車より場所を取らないとはいえやはり保管場所の問題もあります。

又、販売台数が少ないのと、バッテリーなどの部品が高価なため、車両価格が高めに設定されています。現状1人乗りで約80~90万円とアンケートで50%以上の人が購入したいと回答する20万円以下とは大きい隔たりがあります。

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普及の課題の3点目は車両性能、快適性です。どうしても車両サイズが小さいのとバッテリーを利用しているため快適装備(エアコン)は削られる方向にあります。

現在の安全保安基準や道路運送車両法によりドアが簡易型にならざるを得ないのと、ラゲッジスペースが省略されてしまう傾向があるため車内に保管してある物の盗難の恐れがあります。

良い印象のTOPは気軽に外出が出来そうなのですが、悪い印象のTOPは”事故の際の乗員の影響が大きそう”というアンケート結果がありました。やはり、普通自動車に比べると衝撃に対する吸収度は劣りますが、実際に調べてみると事故率は高くなく、他のモビリティより低い事が調査の結果として出ています。

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普及の課題の4番目は航続距離です。

どうしても車両の大きさが小さいのと、部品としてバッテリーが一番高価なため最低限の容量の物しか搭載しない傾向があります。一般的に航続距離としては約50kmを目安にしており、先の資料から見ても大多数の方の1日の走行距離をカバーしているにもかかわらず、80%以上の方はバッテリー残量が常に半分以上でないと不安に感じる事が多いです。その不安を払拭するためには外出先で利用できる充電スポットの充実が必要です。

ただ、私見ですが、私はリーフ・コムスと電気自動車を2台所有していますが、バッテリーが半分ぐらいになっても活動範囲の把握が出来れば問題がないと感じています。特にリーフは街中に沢山充電スポットがありますので、不安に感じたことはありません。コムスに至っては遠くに行くことはありませんので、不安に感じたこともありません。

適材適所で正しく運用する事によりメリットを最大化する事が出来ると感じています。

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課題のまとめです。

超小型モビリティ(超小型車)は総じてまだまだ認知度が足りません。又現在の車両価格と消費者が想定されている価格と想像以上にギャップがあります。

印象に関しては見た目から来るイメージに関してネガティブ(多くの荷物が積めない・乗車人数が少ない・安全性の不安)なコメントが多く、電気自動車というこれまで体験したことのない動力性能に関するネガティブなイメージが見受けらえます。

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今後の普及を図るための視点として様々な課題を整理すると「認知度・車両に対する理解」の向上、「車両価格低減・車両性能・快適性」のバランスを追求するという視点が整理されました。

3.普及促進に向けた段階的展開

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ここからは普及に向けた段階的な展開方法に関するスライドになります。

昨今の高齢化に対して、地域の足を支える乗り物としては運転しやすい事や移動にかかる大変さを考慮すると多くの問題において解決できる可能性を秘めています。

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世代別に購入意向のアンケートを取ると比較的高齢者において現在の価格(約80万円)でも購入する意思がある事がわかります。この点はコムスを乗っていて声をかけられる比率が圧倒的に高齢者からが多いという自身の経験にも一致します。

しかも利用用途の2位までが生活での移動手段としての活用を意識したものとなっており、高齢者の移動手段として需要があると思います。

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目指す普及イメージとして、手堅い業務・公務利用や観光地利用で認知度を上げる事の重要さと日常生活での利便性を啓蒙することによって日常利用での普及につなげる事が望ましいとされています。

さらに車両への改善を行い日常生活での普及につなげる事も必要です。

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今後想定される各分野の超小型モビリティ(超小型車)の将来像としては各分野で数万台ある既存車両のうち、置き換える事でメリットがある物に関しては積極的に置き換えていくことで、認知度・イメージの向上を図り、普及を進めていくことが考えられます。

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現在の超小型モビリティ(超小型車)認定制度においては使用上の条件を付けた上(使用者の講習・利用エリアの限定)での認定がされており、今後の一般普及に向けてはさらなる普及を目指さなければなりません。

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現在の超小型モビリティ認定制度では様々な試行が行われており、色々な課題が見えてきたため、新たに認定制度の見直しを図る必要性が出てきました。

2020年度にも規格化される超小型モビリティ(超小型車)はこれまでの事例をふまえ規格化された物です。

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今後地域交通のグリーン化や地域に即した多様な交通サービスを展開する事業の一環として超小型モビリティの導入を促進することで運輸部門の省エネ対策の推進と地域の活性化に貢献が超小型モビリティ(超小型車)に求められています。

議論の結果と販売はいつから?

2016年3月22日に行われた超小型モビリティシンポジウムで発表された国土交通省自動車局環境政策課にて説明されたスライドを元に私なりにコメントを付けてみました。

他に国土交通省にて超小型モビリティに関するページがありますので、そちらでも色々参考になる情報が書いてあります。

超小型モビリティ(超小型車)を普及させる事は俗にいう「パリ協定」で日本においても2030年度削減目標の達成に向けて着実な取り組みを行う事も有り、国策として小型の電気自動車を普及させる意味も有ります。

今までの検証からも優位性や運用方法など沢山事例が出て来て議論が進んで超小型モビリティならではのメリットもわかって来ました。

超小型モビリティ(超小型車)が世の中に正しく認知される事はとても大事だと感じます。見た目から感じるネガティブなイメージが先行しすぎてポジティブに考える思考が止まってしまうのが問題点かと思います。

俗にいうネガティブなイメージとしてのNo.1はP30でのスライドでもありましたが、”事故の際に乗員への影響が大きそう”というコメントですが、これは万が一の事故の被害者になった場合を心配している声があるのですが、私も気になって調査を行うと重傷化している件数はどの乗り物よりも低く死亡事故は年に1回あるか無いかです。

しかも加害性を見ても軽自動車・普通自動車よりも低く、調べれば調べるほど安全な乗り物の一つとして考えても考えてもいいかもしれません。事故に巻き込まれても怪我しないにしようと思えばそれこそ装甲車を用意しなければなりませんし、そもそも論としてバイクはどうでしょうか?という議論になってしまいます。

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ネガティブなイメージの2番目としてはエアコンが無いための快適性が悪いという点は十分理解できるところであります。特に冬場は航続距離も半分になる恐れもあるため十分な装備が付けれない実情があります。ただ、ドアを付けてある程度密封性を保てば日光が出ている限りシートヒーターがあれば何とか過ごせるレベルであるので、このあたりは割り切りが必要なレベルかと思います。

今後超小型モビリティ(超小型車)として規格化される物は現行軽自動車の一つ下のカテゴリーとして位置づけられ、2020年度にも認可され、今はトヨタ自動が発売を予定してますが、次々と販売されるものと考えられます。

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超小型モビリティ(超小型車)の規格に関しては詳しくは下のエントリーを読んでみてください。

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