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超小型車(超小型モビリティ)って危険なの?事故の傾向と意外な安全性について。

超小型車って危険ではないのか、重大な事故が多いのではないのかというのはどうしても気になる所だと思います。

調べてみると超小型車であることによる走行速度が低いことによる安全性や普通自動車での事故と異なったある点が見えてきました。

資料について

私の知っている中で超小型車(超小型モビリティ)の事故を扱った資料でネットで探せるものが2つほどあります。


と呼ばれるもので上の資料は2012年6月に出た物で、下の物は2013年9月に出た資料です。
少し古いですが、何れも超小型車(超小型モビリティ)と呼ばれる規格が世に問われだしたタイミングなので、注目度が高くなってきたときに発表された資料です。キーワードで検索していただければ探し出せると思います。

二つ目の資料は一つ目の資料をベースに他の資料と一緒にまとめた物になっています。データが古いので今の現行コムスでのデータが無かったのですが、それ以前の先代コムスやその他の色々発売されていたミニカーでのデータかと思います。新しいコムスを含め、実証実験を行っている超小型車まで含められるかは微妙な所ですので、その辺りご容赦ください。
ちなみにミニカーはジャイロキャノピーなどの3輪車も含められるのですが、このデータは乗車型の物を抽出したとありました。

”超小型モビリティの安全基準検討に資する事故分析”について

2012年6月に出た資料で主に超小型車(ミニカー)と比べられるであろう軽自動車を比べた物になります。

このグラフですが車両相互の事故における シートベルトの着用有無によるけがの度合い表したグラフですが、当たり前ですが、ミニカーはドアの無いものも多いですし、車内スペースも限られているので当然重傷者も見受けられます。

軽自動車と比べて軽傷・無傷の割合がシートベルトの着用有無でもあまり変わらないのはスピードを出したとしても60km/hまでに制限されているため平均速度が低いからだと思います。この後の資料にもあるのですが、事故が起きる速度は40㎞/h以下であるため事故が起きた時の速度の影響度が高いことがわかります。軽自動車はシートベルトを着用していても重傷以上の割合が高いのは絶対的な速度が高いため事故が起きた時にシートベルトの如何に限らず重傷以上である確率が高くなるからだと思います。

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”超小型モビリティの安全基準検討に資する事故分析”より引用

次に車両相互の事故における相手の車種別の割合ですが、重傷者の割合が圧倒的に普通自動車やそれ以下のカテゴリーが多い事がわかります。これは走行している道路が大型車が良く通る幹線道路ではなく、普通の一般道路や街の道が多い事ではないかと思います。軽自動車では大型車と普通車の割合がほぼ同じです。

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”超小型モビリティの安全基準検討に資する事故分析”より引用

次にシートベルト有無別に見た衝突部位別の死亡重傷者率ですが、前面での割合が両方とも高く、非着用では側面での事故が圧倒的に多い点です。横転に関する記事は無かったので何らかの原因で側面から衝突した拍子で対象物と衝突した可能性が考えられます。

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”超小型モビリティの安全基準検討に資する事故分析”より引用

次に車両単独でのシートベルト有無別に見た死亡重傷率の割合です。先ほどの対車両と同じく前面での割合が高いのですが、側面に関しては着用・非着用ともに割合が高くなっています。この資料ではこの部分について調査を進めないといけないとあったのですが、スピードの出しすぎによる操作の不良による正面衝突以外での事故があるのかもしれません。

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”超小型モビリティの安全基準検討に資する事故分析”について

次に上記の資料”超小型モビリティの安全基準検討に資する事故分析”の後に出た資料”超小型モビリティ・ミニカーの交通事故に関する研究”を見てみましょう。この資料では車両区分全体における超小型車(ミニカー)としての傾向をまとめた物です。

交通状況における事故の割合について

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”超小型モビリティ・ミニカーの交通事故に関する研究”より引用

この資料は英語なので見難いのですが、MINI-CARが超小型車(ミニカー)なのですが、その下の分類のバイク類と同じような傾向(特に原付バイク)を表します。CROSSING(出合頭)での事故の割合が多いのが特に多く36%にも及び原付バイクと同じ傾向となります。

事故が起きた時の道路幅の大きさについて

”超小型モビリティ・ミニカーの交通事故に関する研究”より引用

上のグラフは事故が起きた時の道路幅のグラフですが、これもバイクと同じく5.5m以下での道路での割合が意外とあります。全体的に見れば5.5m-13mの片側1車線の道路での事故率も高いのですが、ミニカーと言う小さい大きさを生かし、狭い道路での活用が多い所での事故の傾向が見られ、先ほどのグラフで示す通り、大型車との事故件数が少ない事と一致します。

事故が発生した道路の制限速度について

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”超小型モビリティ・ミニカーの交通事故に関する研究”より引用

これは事故が起きた時のその道路の規制速度ですが、バイクより低速での事故が多く、40km/h-50km/hまでの規制速度で事故率でほぼ100%になります。40km/hまでで事故の80%が起きていることを見ると、超小型車の走行するシーンが幹線道路ではなく、普通の生活道路で起きていることを示唆していると思われます。

超小型車(ミニカー)と事故対象者の速度の対比について

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”超小型モビリティ・ミニカーの交通事故に関する研究”より引用

上の表は事故が起きた時の下の軸は超小型車の速度で、縦の軸は事故相手の速度です。超小型車の時速は30km/h以下がほとんどで相手の速度は20km/h以下の速度の比率が高くなっています。速度差はほとんどないのですが、超小型車の方が若干ですが速度が高いという特徴が出ています。

超小型車と事故を起こした当事者側から見た超小型車の被害状況

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”超小型モビリティ・ミニカーの交通事故に関する研究”より引用

上の表は超小型車と事故を起こした当事者側から見た超小型車の被害状況です。当然のことながら自動車が相手だと重傷化することがわかります。特に大型車の場合は顕著です。

超小型車が当事者となった場合の相手側の被害状況

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”超小型モビリティ・ミニカーの交通事故に関する研究”より引用

上の表は逆に超小型車が当事者となった場合の相手側の被害状況です。このグラフから見ると当たり前ですが乗用車に対する加害性は低いのに対し、バイクより軽いカテゴリの低い対象に対しては重傷化していることがわかります。

この事から自動車側から見たら超小型車は交通弱者であり、バイクより軽いカテゴリの場合は交通強者であることがわかります。

まとめ

正直他のカテゴリーの車種が数十万、二百万と言う所で、ミニカーのサンプル数2桁、3桁で分析する事が無理がありそうなのですが、今までの事柄をまとめて自分なりに考えをまとめてみると。

1.シートベルトの未着用による重傷化はどのケースでも顕著であり、シートベルトの着用は必ず着用したほうがよい。

超小型車は車内スペースが限られており対車両・自損事故にかかわらずシートベルトを着用することにより被害を抑えることが出来る。又シートベルト着用の有無にかかわらず車外放出は1%である記述があるため車外放出は少ないと思われます。

2.出合頭の事故が多く、バイクと同様の傾向が見られる。幹線道路での事故は少ない。

事故相手の傾向として危険認知速度が超小型車より低い事を考えると、規制速度が低い狭い道路において事故対象者と超小型車の相対速度が高い所での事故が発生している事が考えられます。つまり超小型車(ミニカー)は車のサイズが小さく運転しやすいから速度が高めになる傾向がありそれに伴って出合頭の事故が多くなる事かと思います。事故対象に大型車がほぼ見られない所を見ると幹線道路ではなく、市道などそれほど速度が高くない場所が多いことがわかってもらえると思います。

また単独事故において事故当時の速度の相関性を示すデータが無かったのですが、車両の強度に関して限界があり、エアバック等安全装備が整っていないため重傷化することがわかるので運転しやすい事に気を許さず安全運転を心がけるという事です。

全体的に言えるのですが、事故が起きた時の速度がほとんど40km/h以下であることを考えると絶対的な速度が低いためシートベルトを確実に着用することで自分の身を守る事が出来るという事です。又事故対象に関しても速度が低いため重傷化するケースが少ない所です。相手が軽自動車以上である限り相手側の重傷者以上はほぼ0と言っていいと思います。

新しい超小型車の規格では正面衝突での衝突安全基準として40km/hが規定されている模様ですが、設計上の制限速度が60km/hの超小型にとってはこれが物凄く意味のある事であると思います。

車両の絶対的な速度が低いため、お互いに重死傷者がそれほど多く無いという点が超小型車の特徴であると言えますので少しの気遣いで安全に過ごすことが出来ると思います。

超小型車(ミニカー)は交通弱者にとっては交通強者ですが、加害者である場合の軽自動車以上の割合は73%であり、バイク以下は27%なので交通弱者が事故対象である割合は低くなっています。

私は超小型車(ミニカー)は交通弱者にとっても使用者にとっても特別危険な乗り物ではないと思いますが、皆さんはどう思われたでしょうか。

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