家を買うとなった時は二つ選択肢があると思います。
- 一戸建て
- マンション
漠然としてマンションが良い、一戸建てが良いと思っていませんか?
全く違う住宅の形、それぞれのメリットとデメリット、それに至る我が家の選択について書いてみたいと思います。
一戸建てのメリット
支払いが完済すれば自分の物になる
文字通りですが、ローンが完済すれば、土地も建物も自分の物になります。
建物はともかく、土地としての値段は0にはなりません。
駐車場スペースがあれば駐車場代がいらない
こちらは車が必要な方には重要な点だと思いますが、1台当たり都会では最低毎月1万円以上かかる物が必要ありません。
2台以上だと掛け算で金額が膨れてきますので、大きなコストになります。
又、車を購入した時には車庫証明が必要ですが、月極駐車場では車庫証明の発行自体オーナーに頼んで有償で発行してもらわなければなりません。
敷地の中ではいろいろなカスタマイズが出来る
敷地の中ではご近所さんに遠慮はいりますが、基本法に振れない限りカスタマイズが可能です。
建築時には無かった宅配ボックスも後から作ることもできますし、物置も立てることも出来ます。
外見のカスタマイズや、外壁の色・デザインも自由自在です。
管理費、修繕積立金がいらない
マンションでは必須の管理費と修繕積立金が必要ありません。
昨今のタワーマンションや機械式駐車場など修繕積立金が膨大な金額になる場合があります。
10年単位で大規模修繕工事が行われますが、必要のない工事があっても個人では選択することは出来ません。
管理費と修繕積立金で生じる出費を個人で貯蓄することにより適時必要な工事を行う事が出来ます。
戸建てだと腕に自信がある人は個人でも行う事が出来ます。
マンションのメリット
利便性が良い場所に戸建てより安価に住むことが出来る
マンションの大きなメリットだと思います。例えば駅から徒歩10分圏内だとか、大きなショッピングモールが近くにある、学校が近い、病院が近いなど便利な施設の近くに建つことが多いです。
同じ利便性のよい戸建てよりも圧倒的に安価に住むことが出来ます。
管理に手間がかからない
建物の管理に関しては管理会社が行ってくれます。
日々の共有部分の点検に関しても管理会社が行ってくれるので、平日休んで立ち合いをすることもありません。
共有部分の清掃も基本管理会社の仕事なので、いつも綺麗な状態に手間もかかりません。
充実した共有施設が使える
最近のマンションのトレンドですが、共有設備に力を入れているため、便利な施設が無料もしくは低価格で利用する事が出来ます。
例えば来客時でも使える宿泊施設、パーティールーム、シアタールーム、フィットネスジム、場所によっては温泉もあったりします。
管理人が常駐している
平日の日中は通常管理会社から派遣された管理人が常駐しています。
人がいるという事だけで防犯性は高まりますし、最近では宅配、クリーニングの手配まで行ってくれます。
一戸建てのデメリット
建物や土地に関する責任が生じる
一国一城の主である持ち主には様々な責任が生じます。
建物の施設が近隣住人の迷惑になっていないか、壁が壊れて隣家に傾いてしまえば自費で撤去もしなければなりません。
境界線に関しても植木がはみ出していないかなど気を付けなければなりません。
利便性のいいところは高い
土地はその場所の利便性やその土地の雰囲気によって値段が変わります。
当然便利な所は高いですし、駅近の土地はビックリするほど高いです。それに最近ではブランド化している地域も多くなっています。
修繕は自分持ち
建物や土地の維持管理に使われる費用はすべて自分で賄わなければなりません。
マンションの補修ではそれこそ目が飛び出る金額を提示されますが、全戸数で割りますのでそれほど大きくなりにくいですし、大体毎月の積立金で賄える場合がほとんどです。
マンションのデメリット
自分勝手なカスタマイズは出来ません
ちょっとドアの色を変えたい、宅配ボックスを付けたい、そんなことは一人の判断では出来ません。
共有部分にかかわる部分はちょっとしたことでも管理組合の許可が必要になります。
修繕積立金が増える可能性がある
修繕積立金ですが、マンションの築年数がたつと最初に規定している金額より高くなる場合があります。
30年、40年過ぎるとそれだけ色々なものが老朽化していきますので、大きな金額となってのしかかります。
住人が少なくなるとそれだけ積立される金額も低くなるため最悪1戸当たり数万円の追加費用を請求されるときもあります。
管理組合という存在が曲者
管理組合の風通しが良い場合はいいのですが、風通しが悪くなったり、住人同士で派閥なんてできた場合は決まる物も決まりません。
新築マンションの時はいいのですが、中古マンションでそれなりに年数の経っている場合はお年寄りの方が数年理事を行っている場合が多く、その方を説得するのも必筋縄ではいかない場合があります。
私の選択
我が家はそれぞれのメリット・デメリットを考え、築43年のマンションを捨てて一戸建てを新築することにしました。
購入するきっかけとなぜ一戸建てになった事をお話しすると
修繕積立金の見直しが発生した
築40年を超えてくると色々な物が古くなるため修繕が必要です。
外壁も10年、20年より修繕範囲が広がりますし、水道管入替、ポンプ入替、エレベーター、屋根の防水工事等莫大な金額が発生します。
以前住んでいたマンションも引っ越しする直前には月額1万円近い金額が増えることとなりました。
建物の老朽化
40年前のマンションという事は設計も古く、耐震基準が出来る前ですので大きな地震が起きた場合の安全性が保障されません。
設計も古いので、あろうことか水道管、電気配線もコンクリートの中に埋没されています。
2回リホームを行いましたが、IH化するにも電気容量が足りなく、電線自体も劣化しており200V化することも出来ませんでしたし、水道管の補修の時も完全に引き直しとなります。
給湯器の入替やリホームをすることで住んでいたマンションのこの先が見えてきました。
ローンを組める年齢の限界
家を買うときの数千万円なんてキャッシュで払える人なんかなかなかいません。
当然ローンを組むのですが、年齢も過ぎた人に数千万円の支払い能力があるとは銀行は思ってくれません。
40歳を過ぎると30年ぐらいしかローンが組めないので、金利の低い今がチャンスと考えました。
ではなぜ一戸建か
管理組合の存在
管理組合というのはマンションの住人がすべて加入する組合です。
この中で理事長や副理事長、書記長など役員を選出し、他理事会と呼ばれる数人の住民代表によってマンションの運営管理方針を決めていきます。
共有部分に関する事などやマンションの運営に関しては理事会によって決められるため、自宅の窓の補修に関しても許可が必要です。
エレベーターの床に敷くマット一つ決めるのにも数ヶ月かかります。
私が住んでいたマンションは築年数もたっていたため年寄りも多かったので新しい事を進めるのも難しい場合があります。
インターネットの光回線を開通させるため1年越しで掛け合って開通させましたが、マンションの場合は光回線を共有部分のMDFと呼ばれる場所にVDSL装置というものを各戸の電話回線に割り込ませるのですが、「電話が使えなくなったらどうするんだ」とか、「そんなもの私はいらない、余計な物は付けないでくれ」など臨時総会まで開いての議論がありました。
地デジ対応のアンテナを付ける場合も「○○さんは○○放送の番組を楽しみにしているからそれも映るようにしてくれ」と本来提供エリアではない他府県のTV放送も入れるため別のアンテナを追加するという事もしました。
この先ずっとこのあたりのまどろっこしさが我慢できないという事がありました。
建て替えの不安
40年を過ぎると修繕箇所も増えてくるため、自然と建て替えの話が出てきます。
よく言われる「建て替えをして戸数を増やせば、今いる住人の方も安く住み替え出来ます。」
こんなのウソ、幻です。
実際住んでいたマンションの建て替えの話があったのですが、調べてもらったところ容積率・建蔽率をこれ以上増やせない、下手したら小さくなく恐れがある。
と絶望的な話になりました。
もちろん若い世代のファミリーも住んでいるので、その方たちから見れば多少プラスしても構わないので建て替えを検討したいと思うのですが、ここで立ちはだかるのは「管理組合」の存在です。
古いマンションでお年寄りの住人が多数が占める「管理組合」ではわざわざ老い先短いのにン千万円以上のお金は出せない、出ていくにしても数百万しかもらえないとなれば建て替えの議論なぞ進みません。
もう法律でも変えてこのあたりの規制を変えてもらわないと建て替えはほぼ不可能です。
駐車場の問題
長年車を所有していますが、特に車の必要性の無い利便性のある所に住んでいますが、やはり車はやめられません。
現在所有している2台分の駐車場代を返済に回せば余裕も出ます。
以上の事から我が家では一戸建てを建てる決断をしたのですが、これを読んだ皆さんも思い当たる事もあるのではないでしょうか。